登記事項証明書で取締役の期間が空いてしまっている場合
会社の取締役には任期があります。任期満了の場合には新たに取締役の選任の手続きと併せて登記も必要となります。その手続きを怠っていたために登記事項証明書の記載に取締役の期間に空白ができてしまうことがあります。
この資料を見ると平成21年4月1日に取締役に就任され、平成22年7月31日に取締役の任期がきて退任していますが、これが登記されたのが平成28年5月2日となっています。書類上 平成22年に一度退任してから、取締役として会社に在籍していたのかそれとも退社したのか?わかりません。書類上新たに就任したのが28年4月ですから。
平成22年7月31日に退任してから平成28年4月20日まで5年以上の空白期間ができてしまっています。
この場合、実際に会社が存在していて、取締役として職務を行っていたとしても登記事項証明書だけでは建設業許可の経営業務管理責任者としての期間として認めてもらうことができません。
登記事項証明書以外の証明書類が必要
この場合取締役として職務を行っていた期間は21年の4月から22年の7月まで、さらに28年の就任から現在までとなり、約1年8ヶ月程の期間しか証明できません。結果、経営業務管理責任者の期間要件5年をクリアできないこととなります。
本来であれば取締役の就任手続きと登記をしていれば21年から28年現在まで約7年以上の取締役の証明ができ、経営業務管理責任者の期間要件をクリアすることができます。
このような場合、もうあきらめるしかないのか、と思ってしまいますが、方法はあります。
実際にその方が取締役として業務を行っていたという証拠があれば、期間の証明を行うことができます。
証明できる証拠書類は
実際に期間の証明ができる書類は役員報酬が出ている人であれば、決算書に役員報酬が明記されているので決算書原本、代表取締役であれば、決算書に代表取締役として名前の記入と代表印が押印されているのでこちらも決算書で認めてもらうことができます。ただし、振興局によって判断が違うため一概にこの書類で大丈夫とは言えません。
経営業務管理責任者の期間をクリアするためには会社の登記の整備も必要となってきます。
今一度、御社の登記事項証明書と定款(取締役の任期が記載されているため)の確認をお願いいたします。
ちなみに、会社法の第346条では「役員が欠けた場合等には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに役員が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する」と規定していますが、振興局には通用しません。この条文から言えば、新たな役員が就任されていなければ、その方は取締役としての権利義務があり、経営業務管理責任者の期間要件をクリアしているはずなんですが・・・困ったものです。
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